うつについて
うつ状態セルフチェック
認知行動療法の創始者として有名な精神科医ベックが作った、うつ病の簡単なセルフチェックです。
1960年代に考案され、現在でも世界的に広く使用されています。
薬物療法
抗うつ薬は、うつ病の原因とされる、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れを整える働きをします。近年は、副作用が少ない治療薬が多数開発されており、当院でも積極的に治療に取り入れています。しかし、患者さんの症状や性質によっては、三環系抗うつ薬をはじめとする古くからある薬のほうが良い場合もあります。
当院では、患者さんに合った治療薬の選択を、医師がしっかりと考えながら治療を行います。
心理療法(カウンセリング)
心理療法も行われます。支持的といわれるカウンセリングがよく行われます。患者さんの内面の苦悩を言語化して吐き出させることで軽減します。また、患者さんのおかれた辛い状況を理解して支えます。
認知行動療法
うつ病に治療効果の高い心理療法に、認知行動療法があります。
ストレスなどで、固まって狭くなってしまった考えや行動を柔らかくときほぐし、バランス良く考え、行動することができるようになるためのお手伝いする心理療法です。
認知行動療法は、パニック障害や強迫性障害等にも効果があるといわれています。
うつ病では、認知行動療法が適する場合と、適さない場合とがあります。診察をしたうえで、どのような治療法がいいかを検討します。
光療法
うつ病の原因に体内時計の失調が考えられています。
ヒトの体内時計中枢は脳深部にある視床下部と呼ばれる構造の、 視交叉上核にあるといわれています。目から入った光刺激は視神経を介して視交叉上核に達し、体内時計を制御します。
ある種のうつ病、たとえば冬になって日照時間が短くなって起こる季節性うつ病、夜間不眠が続いて昼夜逆転になるようなるようなうつ病、あるいは過眠型うつ病などは体内時計の失調を伴ったうつ病の可能性があります。失調した体内時計を復するために計画的に高照度の光を照射します。
入院治療の適応
うつ病の患者さんには休養が必要で、休養することも回復につながります。しかし、仕事や学校を休んで自宅療養しても、なかなか回復しないことがあります。それは、自宅療養では心の休養が十分に取れないことが原因です。症状が軽くない場合は、入院して治療したほうが、回復に要する期間も短くなることが多いです。入院することで、仕事のストレスや人間関係から離れてしっかりと休養が取れますし、医師や看護師が密に患者さんに接して治療を行うことができます。また、起床、就寝、食事などの日常生活が規則正しくなることで、体内時計が正しくはたらくようになることも、うつ病を回復させます。休養のみで回復し、内服薬の大きな変更や増量が必要ない方もいらっしゃいます。
症状が軽い方でも、休養のための入院が治療に有効なことも多くあります。お気軽にご相談ください。

